あなたは100万円損してる!国からもらえる7つの手当金 〜お金を借りる前に〜


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ほとんどの社会人の方は、社会保険や雇用保険に加入し税金を納めているはず。

 

でも、それら制度についてはあまりよく知らない、という方は少なくないようです。

 

なかには、受け取れる給付金があるのに、知らずにいる方もいらっしゃるかもしれません。

 

生活費が苦しいからと、お金を借りる前に、意外と知られていない、社会保険や税金などに関するお得な制度を7つご紹介します。

 

1.傷病手当金

 

有給休暇を使いきってしまったのに、まだ職場に復帰できない……。

 

病気や怪我は誰にでも起こりうること。どんなに健康に気をつかっている人でも、これは避けられないことです。

 

また、ストレス社会の昨今では、うつ病などの精神疾患で長期休業を余儀なくされるという話も珍しくありません。普段の生活費に加えて医療費がのしかかっているのに収入が減ってしまっては、家計は成り立ちません。

 

そんなときは社会保険の『傷病手当金』を申請しましょう。

 

対象 健康保険等の被保険者
※国民健康保険の被保険者は対象となりません
支給期間 最長1年6カ月
1日あたりの支給額標準報酬 日額×3分の2
窓口 会社の社会保険担当部署

 

○傷病手当金の計算例
<標準報酬月額30万円、支給日数31日の場合>

 

標準報酬日額 30万円(標準報酬月額)×30分の1
=1万円
1日あたりの支給額 1万円(標準報酬日額)×3分の2
=6,667円
支給額 6,667円×31
206,677円

 

会社から給与が支払われている場合は、傷病手当金の支給はありません。但し、給与の額が傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額を受け取ることができます。

 

また、労災保険の対象となる場合は、傷病手当金は受けられません。出産手当金や年金などが受けられるときも支給が制限されます。

 

一般的な手続きの流れとしては、ご本人が「傷病手当金支給申請書(会社に請求するか、健康保険組合等のホームページからダウンロードします)」に必要事項を記入します。

 

次に、かかっている医師に働けない状態であることを記入してもらい会社へ提出します。会社が申請手続きを行ったあと、健康保険組合等から本人へ給付金が支給されます。

 

なお、給与が支給されていなくても、社会保険加入中は保険料がかかります。一般的には傷病手当金が支給されたころに、会社から保険料の請求がきますので支払ってください。

 

2.高額療養費制度

 

突然、盲腸になって入院・手術したら、費用が15万円もかかってしまった。でも、民間の医療保険になんて入ってない、どうしよう!

 

思わぬ病気や怪我で医療費がかさんでしまったときは、『高額療養費制度』を利用できないか確かめてみましょう。

 

『高額療養費制度』とは、1ヶ月の窓口負担額が一定金額を超えた場合、その金額が高額療養費として支給される制度です。負担の上限額は年齢や所得によって異なります。

 

対象 健康保険や国民健康保険などの被保険者
計算基準期間 暦の1日~末日
1ヶ月の負担の上限額
(70歳未満/所得区分が一般の場合)
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
窓口 健康保険組合、協会けんぽ、市町村の国民健康保険等
※会社員の方は会社の社会保険担当部署へお問い合わせください

 

○高額療養費の計算例
<入院・手術費用が15万円、うち差額ベッド代や食費等を引いた額が12万円の場合>

 

1ヶ月の負担の上限額 80,100円+(400,000円※-267,000円)×1%
=81,430円
※400,000円=120,000円(3割)の医療費(10割)
支給される高額療養費 120,000円-81,430円
38,570円

 

同じ健康保険に加入している家族の方がいる場合は、医療費を合算することができます。もし申請を忘れていたという場合も、2年間さかのぼって申請することができます。

 

これから入院する予定の方には、事前に申請をして窓口負担を上限額までに抑える仕組みもあります。その他詳細については、厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」を参考にしてみてください。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/100714a.pdf

 

『高額療養費制度』は会社の健康保険だけでなく、国民健康保険や共済組合等にも設けられています。健康保険によって若干の違いがあるようで、負担の上限額がご紹介した例よりも低く設定されているところがあります。

 

また、本人が申請しなくても手続きを進めてくれるところもあります。詳細は担当窓口へお問い合わせください。

 

3.教育訓練給付制度

 

つぎは雇用保険に関する制度のご紹介です。資格取得のために講座を受けようと考えている方、受講料の一部が返ってくる制度があることをご存知でしょうか。

 

『教育訓練給付制度』は、厚生労働省が指定する教育訓練を受講すると、その受講料の一部が支給される制度です。

 

対象 雇用保険の一般被保険者、または過去に一般被保険者だった方
※加入期間3年以上(初めて支給を受ける方は1年以上)
支給額 教育訓練経費の20%
支給の上限額 10万円
窓口 ハローワーク

 

○教育訓練給付金の計算例
<TOEIC650点を目指し、英会話学校Aに1年間通った場合>

 

入学金および授業料 450,000円
支給される
教育訓練給付金
450,000円×20%
90,000円

 

雇用保険の一般被保険者とは、一週間の労働時間が20時間以上で、31日以上雇われる見込みがある被保険者の方です。正社員やパート、アルバイトの殆どの方がこれに該当すると思われます。

 

手続きは講座が修了した翌日から1ヶ月以内に、本人がハローワークで行います。その際、学校から配布される「教育訓練給付金支給申請書」「教育訓練修了証明書」等が必要になります。

 

学校によっては、入学時に『教育訓練給付制度』を利用する旨を申し出ていないと、これらの書類がすぐに受け取れないことがありますので注意が必要です。

 

対象となる講座は、会計士や弁理士などの専門的サービス、MOSなどの情報関係、建築士などの技術関係の他、ソムリエやインテリアコーディネーターなど様々な分野に及びます。「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」から検索できます。

 

http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/T_K_kouza 資格を取ることで昇進・昇給、または転職や独立のチャンスが広がります。チャレンジしたいことがある方はこの制度を活用してみてください。

 

4.育児休業給付

 

雇用保険の『育児休業給付』は、育児休業期間中に給付金を受けられる制度です。

 

対象 雇用保険の一般被保険者
※育児休業に入る前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある方
※休業中に会社から休業前賃金の8割以上が支払われていないなど諸要件あり
支給対象期間 産後休業後(出産日から8週間)子どもが1歳になるまで
※特別な場合を除く
1ヶ月の支給額 休業開始時賃金日額×支給日数の50%
※賃金日額:休業前6カ月の賃金を180で割った額
※支給日数:30日(休業終了日の属する期間を除く)
1ヶ月あたりの
支給の上限額
213,450円
窓口 会社の社会保険担当部署

 

○育児休業給付金の計算例
<賃金日額が1万円、支給日数30日の場合>

 

1ヶ月の支給額 1万円×30×50%
150,000円

 

パートや派遣社員の方で雇用期間が定められている場合であっても(3ヶ月契約を更新など)、休業開始前に同じ会社で1年以上働いていて、休業終了後も引き続き雇用される見込みがあれば対象となります。

 

育児休業は男性も取得できます。「パパ・ママ育休プラス制度」を利用して、父母が交替で育児休業を取得する場合は、給付の対象期間が1歳2カ月まで延長されます。

 

また、保育所がみつからないなどの事情がある場合は、支給対象期間を1歳6カ月まで延長できます。

 

手続きは会社の担当部署が行ってくれますので、休業に入る前に申請してください。育児休業取得中は、本人・事業主ともに社会保険(健康保険・厚生年金保険)の保険料が免除されますので、そのあたりも合わせて確認できると安心です。

 

とくに育児休業制度があまり浸透していない会社の方は、早めに積極的に申し出ることをおすすめします。我が子の成長を一日でも長く傍で見守るため、このような制度の活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

※「育児休業給付の内容及び支給申請手続について」 https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/ikuji_kyufu.pdf

5.介護休業給付

 

家族の介護のために会社を休業するときは、雇用保険の『介護休業給付』を利用できます。

 

対象 雇用保険の一般被保険者
※介護休業に入る前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある方
※休業中に会社から休業前賃金の8割以上が支払われていないなど諸要件あり
支給対象期間 最長3ヶ月(93日)
複数回に分けて休業した場合は通算93日
1ヶ月の支給額 休業開始時賃金日額×支給日数の40%
※賃金日額:休業前6カ月の賃金を180で割った額
※支給日数:30日(休業終了日の属する期間を除く)
1ヶ月あたりの
支給の上限額
170,760円
窓口 会社の社会保険担当部署

 

○介護休業給付金の計算例
<賃金日額が1万円、支給日数30日の場合>

 

1ヶ月の支給額 1万円×30×40%
120,000円

 

パートや派遣社員の方で雇用期間が定められている場合であっても(3ヶ月契約を更新など)、休業開始前に同じ会社で1年以上働いていて、休業終了後も引き続き雇用される見込みがあれば対象となります。

 

給付金は介護休業開始日から1ヶ月間をひとつの支給単位期間として計算されます。支給対象となるのは最長3ヶ月なので、最大3支給単位期間の給付金を受けることができます。

 

給付金が受け取れるのは、介護休業が終了してからです。支給単位期間ごとに計算した金額の合計額が一括支給されます。

 

介護休業は複数回に分けて取得することができますが、その場合には注意が必要です。というのは、異なる介護状態でないと給付の対象とならないからです。

 

例えば、60日間介護休業を取得したあと職場へ復帰し、その後同じ介護のために30日休業した場合は、二回目の30日分は給付金を受け取ることができません。

 

詳細については休業に入る前に会社の担当部署の方にご確認ください。

 

※「介護休業給付の内容及び支給申請手続について」 https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/kaigo_kyufu.pdf

6.求職者支援制度

 

さて、次は現在お仕事を探している無職の方に耳寄りな制度です。 『求職者支援制度』は、雇用保険を受けられない求職中の方が、職業訓練と職業訓練受講給付金を受けられる制度です。

 

訓練と並行してハローワークから就職支援も受けられます。

 

対象 特定求職者
※以下の4つの要件を全て満たす方
(1)ハローワークに求職の申込をしていること(2)雇用保険被保険者や雇用保険受給者でないこと(3)労働の意思と能力があること(4)職業訓練など支援を行う必要があるとハローワーク所長が認めたこと
訓練 厚生労働大臣が認定した職業訓練を無料で受講※但し、テキスト代等は自己負担
職業訓練受講給付金 職業訓練受講手当:月100,000円 通所手当:学校までの交通費(上限額あり)
※諸要件あり
窓口 ハローワーク

 

特定求職者を具体的にいうと、雇用保険を受けられない方、雇用保険の受給が終了した方、自営業を廃業した方、学卒未就職者等となります。

 

訓練期間は1コース3ヶ月から6ヶ月です。「求職者支援訓練認定コース情報検索システム」から検索できます。 http://nintei.jeed.or.jp/kyushokushien/search/

 

職業訓練受講給付金を受けるには、本人収入が月8万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下など、収入や資産の基準について厳しい要件があります。

 

また、要件を満たしている方であっても、やむを得ない理由以外で訓練を1回でも遅刻、欠席、早退した場合には、その月の給付金は支給されなくなります。

 

つまり、一度でも寝過ごして遅刻をすると、その月の給付金はもらえません。 また、指定来所日にハローワークへ行かなかった場合も、その後の給付金は支給されなくなります。

 

かなり厳しい制度ですが、自費で学校へ通うことを考えれば、ほぼ無料で勉強が出来て手当までもらえるというのはありがたい話です。資格を取得して早く就職したいとお考えの方は一度ご検討ください。

 

※『求職者支援制度』についてのリーフレット http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/kyushokusha_shien/dl/kyusyokusya02.pdf

7.住宅ローン減税

 

最後は税金のお話です。平成26年4月から消費税増税が検討されていますが、その前に住宅の購入をと考えていらっしゃる方も多いはず。

 

消費税率が3%上がれば、税額に何十万円またはそれ以上の差が出てくるので慎重に判断したいところです。

 

ところで、住宅を購入する方の多くは住宅ローンを組まれると思います。そのときセットのように出てくる言葉が『住宅ローン減税』です。『住宅ローン減税』とは、住宅ローンを利用して住宅を購入すると、所得税の一部が戻ってくるという制度です。

 

税額控除なので、控除額がそのまま所得税額から引かれます。所得税から控除しきれないときは、住民税からも控除することができます(上限額あり)。

 

対象 住宅ローン等を利用して住宅を取得・居住した方
※所得金額や住宅の床面積などの諸要件あり
控除期間 10年
各年の控除額 住宅ローン等の年末残高×1%
控除限度額 200,000円(各年)
窓口 住所地の税務署

※平成25年1月1日から平成26年3月31日までに取得・入居した場合。

『住宅ローン減税』を受けるには確定申告をします。給与所得者の方は、確定申告をした翌年からは年末調整で特別控除を受けることができます。

 

ところで、平成26年4月以降、消費税率が8%または10%になった場合は、この制度の控除額が引き上げられることになっています。控除限度額が40万円になるのですが、それはみんなにとってお得かというとそうとも言いきれません。

 

控除額いっぱいまで引ききれるだけの納税額がなければ意味がないからです。つまり所得の低い人は、この制度の恩恵を十分に受けることができないのです。

 

しかし、そんな方のために給付金の支給が検討されています。詳しくは「すまい給付金」ホームページをご覧ください。 http://sumai-kyufu.jp/index.html

 

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以上、7つの制度のご紹介でした。あてはまるものがあった方、将来的に利用できそうだと思われた方は検討してみてください。

 

もし複数当てはまる方は、100万円どころかそれ以上もらえる可能性もありますので、しっかりおさえておきましょう。

 

受け取れる給付金があったのに申請していなかった方、まずは窓口に相談することをおすすめします。時効がきていなければ、さかのぼって申請できるかもしれません。

 

なお、休業給付制度を利用したいけれど、申請しづらい環境にあるという方もいらっしゃるかもしれません。実際、会社に申請したところ、あからさまにイヤな顔をされたという話もきかれます。

 

しかし、こうした制度を利用することで、同じ会社で長く働くことができ、ひいてはその会社に貢献することができます。少し勇気がいるかもしれませんが、周りの方の理解を得られるよう頑張ってみてはいかがでしょうか。

 

ここでご紹介した制度を利用することで、みなさまの生活にほんの少し余裕がもたらされれば幸いです。